「ダイエットで、いちばん早く痩せる方法ってなに?」
「5キロ痩せるには、何日くらいかかるの?」
ダイエットを始めようと思ったとき、まず気になるのはこのあたりですよね。
いろんなダイエット法がありますが、じつは基本の考え方はとてもシンプルです。この記事では、理学療法士の院長が、ダイエットの基本を数字も使いながらやさしく解説します。
読み終わるころには、「自分は何から始めればいいか」が1つ決まるはずです。
- 痩せるしくみ(エネルギーのバランス)
- 「早く痩せる」が続かない理由
- 5キロ・10キロ痩せるのにかかる日数の目安
- 痩せるには何が1番?(優先順位と具体的なやり方)
痩せるしくみは「食べた量より、使った量が多い」だけ
食べた分より、使った分が多ければ体重は減る。まずはこれだけ覚えておけばOKです。
体重が減るかどうかは、食べたり飲んだりして入るエネルギーと、体が使うエネルギーのバランスで決まります。
入るエネルギー(食べた量)
食事・おやつ・飲み物から体に入る分
使うエネルギー(使った量)
何もしなくても使う分(基礎代謝)+体を動かした分 など
では、どれくらいの差があれば痩せるのでしょうか? 答えは、思ったより小さな数字です。
厚生労働省の資料では、体重1kg(腹囲1cm)を減らすには、約7,000kcalが必要とされています。
7,000kcal ÷ 30日 = 1日あたり約230kcal。
ご飯茶わん軽く1杯(約150g)くらいです。
「ご飯を少し減らして、ちょっと多めに歩く」くらいで届く数字なんです。
▼ 「じゃあ、もっと一気に減らせば早いのでは?」と思った方へ
「いちばん早く痩せる方法」はある?
答えは「ない」です。早く落とすほど、戻りやすくなります。
ごはんを大きく減らせば、体重は一時的にすぐ落ちます。でも、そのやり方は長く続きません。
「早く痩せる」がうまくいかない流れ
- ごはんを大きく減らす
- 体重はすぐ落ちる
- でも筋肉まで減ってしまう
- 使うエネルギーが減る
- 我慢できずに食事が戻る → リバウンド
病院の治療でも、まずは3〜6か月で今の体重の3%を減らすことが目標とされています(日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」)。
| 今の体重 | 3〜6か月の目標(3%) | 1か月あたりの目安 |
|---|---|---|
| 50kg | 約1.5kg | 約0.3〜0.5kg |
| 60kg | 約1.8kg | 約0.3〜0.6kg |
| 70kg | 約2.1kg | 約0.4〜0.7kg |
| 80kg | 約2.4kg | 約0.4〜0.8kg |
「え、それだけ?」と思うかもしれませんが、このくらいがちょうどいいペースです。1か月で0.5kg前後なら、体への負担も少なく、リバウンドもしにくくなります。
目標を達成したら、また次の3〜6か月で3%。これをくり返していけば、1年で6%前後(60kgなら約3.6kg)を目指せます。
▼ では、5キロ・10キロだと、実際どれくらいかかるのでしょう?
5キロ・10キロ痩せるには何日かかる?
計算上は、5キロで2〜5か月。でも無理のないペースで考えると、5キロなら半年〜1年、10キロなら1年以上を見ておくと安心です。
「1kg=約7,000kcal」で計算すると、こんな目安になります。
| 目標 | 1日 約250kcal減らす | 1日 約500kcal減らす |
|---|---|---|
| 5キロ | 約140日(4〜5か月) | 約70日(2〜3か月) |
| 10キロ | 約280日(9〜10か月) | 約140日(4〜5か月) |
ただ、実際は計算どおりにいかないことがほとんどです。痩せるにつれて使うエネルギーも減りますし、途中で体重が止まる「停滞期」もあります。
体重がどう減っていくのかは、こちらの記事で詳しく解説しています。
▼ ここからが本題。限られた時間と気力で、何を優先すればいいのか
痩せるには何が1番?
「どうせ、食事と運動でしょ?」
……そう思いましたよね。正直、その通りです。
答え自体は、みんなもう知っているんです。むずかしいのは、わかっていても、全部はできないこと。
だからここでは、「全部がんばる」のではなく、どれを優先すれば、少ない努力で結果につながりやすいかをお伝えします。
1番は「食事」。2番は「筋トレ」。まずはこの2つだけでOKです。
1番:食事 ― 痩せる量を決めるのは、ほぼ食事
「運動して痩せよう」と考える方は多いのですが、じつは運動で使えるエネルギーは思ったより少ないんです。
体重60kgの人が、ふつうの速さで1時間歩いて約190kcal(※)。
ご飯軽く1杯分を消すには、1時間以上歩く必要があります。
一方で、食事なら「ご飯を少し減らす」だけで同じ差がつくれます。
※厚生労働省「生活活動・運動のメッツ表」の普通歩行(3.0メッツ)をもとに、エネルギー消費量=1.05×メッツ×時間×体重 で計算した目安
だから、体重を減らす「量」を決めるのは、ほぼ食事です。いきなり大きく減らすのではなく、次のような小さな見直しから始めましょう。
- ご飯は軽めに1杯:大盛り・おかわりをやめるだけでも差がつきます
- 甘い飲み物をお茶や水に:飲み物のエネルギーは見落としがち
- たんぱく質は毎食:肉・魚・卵・大豆製品。筋肉の材料になり、満足感も
2番:筋トレ ― 減らした体重を「戻さない」ため
食事だけで体重を落とすと、脂肪だけでなく筋肉も一緒に減りやすくなります。
筋肉は、安静にしているときに体が使うエネルギーの約2割を担っています。筋肉が減ると「使うエネルギー」も減り、リバウンドしやすい体になってしまいます。
厚生労働省のガイドでも、筋トレは週2〜3日がすすめられています。ジムに通わなくても、自宅でできるもので十分です。
まずはこの2種目から
- スクワット:椅子に座るようにお尻を引いて、立ち上がる(10回)
- 膝つき腕立て:膝をついて、胸を床に近づける(10回)
- それぞれ2セット、週2〜3日:慣れてきたら回数を少しずつ増やす
+α:寝不足と、体の痛みにも気をつけて
食事と筋トレが土台なら、それを支えるのが睡眠と体の状態です。
- 睡眠:寝不足の人ほど、食欲に関わるホルモンが乱れやすいという研究があります。夜ふかしの日は、食べすぎやすい日です
- 体の痛み・姿勢:腰や膝が痛いと、筋トレも歩くことも続きません。痛みがある方は、先に体を整えるのが近道です
「食事で減らして、筋トレで守る」。これがダイエットの基本の形です。痛みがあって運動できない、何から始めればいいかわからない、という方は、まず体の状態を一緒に確認するところから始めましょう。
▼ 最後に、「わかっているのに続かない」という方へ
わかっていても続かない…それ、あなたのせいじゃないかもしれません
ダイエットがうまくいかなかった経験がある方ほど、「自分は意志が弱いから」と思いがちです。でも、続かない理由の多くは、やり方のほうにあります。
| よくある「続かない」理由 | こう変えてみる |
|---|---|
| 我慢ばかりで、つらい | 「やめる」より「減らす」。ご飯は抜かずに軽めに |
| 全部いっぺんに始めてしまう | まずは食事と筋トレの2つだけ。慣れたら足す |
| 腰や膝が痛くて、運動できない | 痛みを先にケアする。痛くない運動から始める |
| 体重が減らなくて、やる気がなくなる | 体重は「週の平均」で見る。腹囲も一緒に測る |
とくに「体重が止まってやめてしまう」のは、いちばん多いパターンです。体重がどう減っていくのかを先に知っておくと、ぐっと続けやすくなります(体重の減り方と停滞期の記事)。
今日からやってみること
- ご飯をいつもより少し軽めによそう(1日約230kcalの差に)
- 甘い飲み物を1本、お茶か水に変える
- 寝る前にスクワット10回だけやってみる
- 明日の朝、体重とお腹まわりを測っておく
全部じゃなくて大丈夫。どれか1つから始めてみてください。
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「何から始めればいいかわからない」「運動すると腰や膝が痛む」という方も、お気軽にご相談ください。
よくある質問
ダイエットで1番早く痩せる方法は何ですか?
極端な食事制限をすれば体重は早く落ちますが、筋肉も減ってリバウンドしやすくなります。結果的に近道なのは、食事を少し減らしながら筋トレで筋肉を守り、3〜6か月で体重の3%くらいを目安に進める方法です。
5キロ痩せるのに何日かかりますか?
計算上は、1日約250kcal減らすと約140日(4〜5か月)、約500kcal減らすと約70日(2〜3か月)です。ただ停滞期もあるので、体への負担が少ない「1か月0.5kg前後」のペースなら、半年〜1年を目安にすると安心です。
10キロ痩せるのに何日かかりますか?
1日約500kcal減らしても、計算上は約140日(4〜5か月)かかります。体への負担を考えると、1年以上を目安に、少しずつ目標を立てるのがおすすめです。
痩せるには何が1番ですか?
1番は食事です。運動で使えるエネルギーは意外と少なく、ご飯軽く1杯分を歩いて使うには1時間以上かかります。そのうえで、筋トレで筋肉を守ることがリバウンドを防ぐ2番目のポイントです。
まとめ
痩せるしくみは「食べた量より、使った量が多い」とシンプルです。早く落とすより、筋肉を守りながら3〜6か月で体重の3%くらいを目安に、ゆっくり進めるのがいちばんの近道。できることから、ひとつずつ始めてみてください。
参考文献
- 厚生労働省「内臓脂肪減少のための計画表」(保健指導用資料:体重1kg・腹囲1cmを減らすのに約7,000kcal)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002q9dz-att/2r9852000002q9tu.pdf - 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」の減量目標(国立保健医療科学院 臨床試験情報ポータル掲載資料より)
https://c2h.niph.go.jp/results/C2H2306/C2H2306_Background.pdf - 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(筋力トレーニングについて)
https://www.mhlw.go.jp/content/001195869.pdf - 厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム」改訂に関する資料(特定保健指導の主要達成目標:腹囲2cm・体重2kg減)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001067224.pdf - Taheri S, et al. “Short sleep duration is associated with reduced leptin, elevated ghrelin, and increased body mass index.” PLoS Medicine. 2004;1(3):e62.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15602591/ - 厚生労働省「生活活動のメッツ表・運動のメッツ表」(国立健康・栄養研究所「身体活動のメッツ表」より)
https://kennet.mhlw.go.jp/tools/pdf/mets.pdf - 健康長寿ネット「エネルギー消費量の測定方法」(安静時代謝に占める骨格筋の割合)
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/tairyoku-kiki/energy-sokutei.html





