「若い頃と同じように食べているのに、体重が落ちにくくなった」「少し食事を減らしても、前のようには痩せない」――40代を過ぎてから、こう感じる方は少なくありません。
それ、気のせいでも、意志が弱いせいでもありません。体そのものが、少しずつ変わってきているからです。
この記事では、理学療法士の院長が、40代から痩せにくくなる理由を数字も使ってわかりやすく解説します。読み終わるころには「じゃあ何をすればいいか」がはっきりするはずです。
- 40代から痩せにくくなる3つの理由と、数字で見る基礎代謝の変化
- 食事を減らすだけのダイエットが続きにくい理由
- 40代からの体づくりで大切にしたいこと
- 自宅でできる簡単な運動
40代から痩せにくくなる3つの理由
筋肉が減る・動く量が減る・姿勢が変わる。この3つが重なって、少しずつ太りやすくなります。
1. 筋肉量が少しずつ減っていく
筋肉は、じっとしているときにもエネルギーを使っています。安静にしているときに体が使うエネルギーのうち、約2割(22%)は骨格筋によるものです。
468人の男女(18〜88歳)を調べた海外の研究では、筋肉の量は40代の終わりごろからはっきり減り始め、その減少は主に下半身(脚やお尻)の筋肉で起こっていたと報告されています。
数字で見る「基礎代謝」の変化
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、何もしなくても1日に使うエネルギー(基礎代謝量)の目安が、年代ごとに示されています。
| 年代 | 女性 | 男性 |
|---|---|---|
| 30〜49歳 | 1,170 kcal/日 | 1,570 kcal/日 |
| 50〜64歳 | 1,120 kcal/日 | 1,510 kcal/日 |
| 差 | 約50 kcal 減 | 約60 kcal 減 |
女性の場合、参照体重は30〜49歳が53.3kg、50〜64歳が54.0kgと、体重はほぼ同じかむしろ重いのに、基礎代謝量は1日約50kcal少なくなっています。
50kcalは、おにぎり1個の約3分の1ほど。わずかに見えますが、1年間(365日)続くと約18,000kcalになります。体重1kgを減らすにはおよそ7,000kcalが必要とされているため(厚生労働省の保健指導資料)、計算上は1年で2kg以上に相当します。「同じように食べているのに少しずつ太る」のは、こうした小さな差の積み重ねです。
※実際の変化は活動量や食事などで変わります。あくまで計算上の目安です。
だからこそ40代からは、特に減りやすい下半身の筋肉を保つことが大切になります。
2. 日常の活動量が減る
仕事や家事のスタイルが変わり、座っている時間が長くなったり、歩く機会が減ったりすることも、40代以降によくある変化です。運動の時間だけでなく、通勤や家事などの「ふだんの動き」が減ることも、消費エネルギーに影響します。
3. 姿勢が変わり、お腹まわりの筋肉が働きにくくなる
長時間のデスクワークやスマホで、背中が丸まり骨盤が後ろに傾いた姿勢が続くと、お腹の奥の筋肉が働きにくくなります。呼吸も浅くなりやすく、下腹が出たように見える原因にもなります。
▼ 「じゃあ、食べる量を減らせばいいのでは?」と思った方へ
食事を減らすだけのダイエットが続きにくい理由
早く結果を出そうとして食事を大きく減らすと、体重は一時的に落ちても、次のような流れになりやすいといわれています。
食事制限だけに頼ると
- 食事を大きく減らす
- 脂肪だけでなく筋肉も減る
- 1日に使うエネルギーが減る
- 食事を戻すと体重も戻りやすい
40代からのダイエットでは、「体重を減らす」ことと同時に「筋肉を保つ」ことが大切です。
▼ では、40代からは何を優先すればいいのでしょう?
40代からの体づくりで大切にしたいこと
「食事を少し減らす+下半身の筋肉を守る」。この組み合わせが基本です。
- 筋トレを週2〜3日
厚生労働省のガイドでも、成人・高齢者に週2〜3日の筋力トレーニングがすすめられています - 座りっぱなしを減らす
30分に1回は立ち上がる、ひと駅分歩くなど、ふだんの動きを増やす - たんぱく質をしっかりとる
肉・魚・卵・大豆製品などを毎食少しずつ - 姿勢と呼吸を整える
骨盤を立てて座り、お腹がふくらむように深く呼吸する - 睡眠をしっかりとる
寝不足は食欲の乱れにもつながります
自宅でできる「椅子スクワット」
年齢とともに減りやすい太ももやお尻の筋肉を使うスクワットは、40代からの体づくりにおすすめです。膝や腰に不安がある方は、椅子を使った方法から始めましょう。
椅子スクワットのやり方
- 椅子の前に、足を肩幅に開いて立つ
- 腕を胸の前で組み、お尻を後ろに引くようにして、ゆっくり椅子に座る
- 座面にお尻がふれたら、かかとで床を押してゆっくり立ち上がる
- 10回を1セットとして、1〜2セットから始める
膝がつま先より前に出すぎないように、お尻を後ろに引くのがポイントです。膝や腰に痛みが出る場合は回数を減らすか中止し、無理をしないでください。痛みがある方は、運動を始める前に専門家に相談すると安心です。
40代からは「がんばって減らす」より「筋肉を守りながら、ゆっくり減らす」ほうが結果的に近道です。膝や腰が気になって運動をためらっている方も、一度ご相談ください。
今日からやってみること
- 椅子スクワットを10回だけやってみる
- 30分に1回、立ち上がる
- 毎食、たんぱく質のおかずを1品入れる
かんだ整体院の骨盤矯正ダイエット
かんだ整体院では、理学療法士が姿勢や骨盤の傾き、体の使い方を確認し、骨盤の調整と体の状態に合わせた運動、生活習慣のアドバイスを組み合わせた「骨盤矯正ダイエット」を行っています。食事を減らすだけに頼らない、戻りにくい体づくりを一緒に目指します。
よくある質問
5キロ痩せるのに何日かかりますか?
体重や生活習慣によって大きく異なるため、一概には言えません。短期間で大きく減らそうとすると、筋肉まで落ちてリバウンドしやすくなります。特定保健指導でも、3〜6か月ほどかけて「腹囲2cm・体重2kg」の減少がひとつの目標とされています。まずは数か月単位で、無理なく続けられるペースを目安にしましょう。
運動が苦手でも大丈夫ですか?
はい。いきなり激しい運動をする必要はありません。体の状態を確認したうえで、できる運動から少しずつ始めていきます。
膝や腰に痛みがあってもできますか?
痛みの程度によっては、医療機関の受診をおすすめする場合があります。痛みが落ち着いている場合は、負担の少ない運動から始めます。まずはご相談ください。
まとめ
40代から痩せにくくなるのは、筋肉量や活動量、姿勢が少しずつ変化するためです。食事を減らすだけに頼らず、筋肉を保ちながら、姿勢や生活習慣も一緒に整えていくことが、戻りにくい体づくりへの近道です。
参考文献
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(基礎代謝量の参照値)/健康長寿ネット「エネルギー消費量の測定方法」にて掲載
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/tairyoku-kiki/energy-sokutei.html - Janssen I, et al. “Skeletal muscle mass and distribution in 468 men and women aged 18-88 yr.” Journal of Applied Physiology. 2000;89(1):81-88.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10904038/ - 厚生労働省「内臓脂肪減少のための計画表」(保健指導用資料:体重1kg・腹囲1cmを減らすのに約7,000kcal)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002q9dz-att/2r9852000002q9tu.pdf - 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(筋力トレーニングについて)
https://www.mhlw.go.jp/content/001195869.pdf - 厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム」改訂に関する資料(特定保健指導の主要達成目標:腹囲2cm・体重2kg減)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001067224.pdf


