「出産して体重はある程度戻ったのに、お腹まわりだけがぽっこりしたまま」「産前の服がなんとなく合わない」――産後の体型のお悩みは、多くの方が感じているものです。
毎日の育児で、自分の体のことは後回し…という方も多いと思います。でも、体型が戻りにくいのは、がんばりが足りないからではありません。妊娠・出産で、お腹や骨盤まわりの筋肉が変化しているからです。
この記事では、理学療法士の院長が、その理由と、ケアを始める時期の目安、育児の合間にできるケアをお伝えします。
- 産後に体型が戻りにくい主な理由
- ケアを始める時期の目安
- 自宅でできるやさしいケア
- 早めに相談したほうがいいサイン
産後に体型が戻りにくい主な理由
体重が戻っても、お腹の筋肉や骨盤まわりは、まだ回復の途中かもしれません。
お腹の筋肉が引き伸ばされ、ゆるんでいる
妊娠中は、赤ちゃんが大きくなるにつれてお腹の筋肉が大きく引き伸ばされます。お腹の真ん中で左右の腹筋が離れる「腹直筋離開(ふくちょくきんりかい)」も珍しくありません。海外の研究では、産後6週で約6割、産後12か月でも約3割の方にみられたと報告されています。
骨盤まわりの筋肉(骨盤底筋)が弱くなっている
骨盤の底でお腹の臓器を支えている骨盤底筋は、妊娠・出産で大きな負担を受けます。お腹の奥の筋肉と一緒に働くため、ここが弱いとお腹まわりが安定しにくくなります。
抱っこや授乳の姿勢が続く
前かがみでの授乳や、片側だけの抱っこが続くと、背中が丸まり骨盤が傾いた姿勢がクセになりやすくなります。姿勢がくずれると、お腹の筋肉も働きにくくなります。
睡眠不足や生活リズムの変化
夜中の授乳などで睡眠が不足すると、食欲や体調が乱れやすくなります。体型が戻らないのは、決して頑張りが足りないからではありません。
▼ では、いつからケアを始めればいいのでしょう?
ケアを始める時期の目安
産後の体の回復には個人差があります。次の流れはあくまで目安です。産後1か月健診などで、医師に体の状態を確認してから進めましょう。
産後のケアの進め方(目安)
- 産後〜1か月:体を休めることを優先。深い呼吸や、楽な姿勢を意識する程度に
- 産後1か月健診以降:医師から問題ないと言われたら、軽い体操や骨盤まわりのケアを少しずつ
- 産後2〜3か月ごろ以降:体調に合わせて、ウォーキングや筋力トレーニングを取り入れていく
帝王切開の方や、出血・傷の痛みなどが続いている方は、回復のペースが異なります。運動を始める時期は、必ず医師に相談してください。
自宅でできるやさしいケア
赤ちゃんのお昼寝中や、授乳のついでにできるものから。1回1〜2分でOKです。
- 呼吸と一緒にお腹を軽く引き込む
仰向けで膝を立て、息を吐きながらお腹を背中のほうへ軽く引き込む。5回ほどから - 骨盤底筋を意識する
息を吐きながら、尿を途中で止めるような感覚で骨盤の底を軽く締め、ゆるめる - 授乳・抱っこの姿勢を見直す
クッションで赤ちゃんの高さを上げ、背中を丸めすぎない。抱っこは左右交互に - 上体を起こす腹筋運動は急がない
お腹の真ん中が盛り上がる場合は、自己流の腹筋運動は控えて相談を
早めに相談したほうがいいサイン
次のような症状が続く場合は、自己流のケアだけで様子を見ず、医療機関や専門家に相談しましょう。
- 尿もれが続いている
- お腹に力を入れると、お腹の真ん中が縦に盛り上がる
- 腰や恥骨、骨盤まわりの痛みが続いている
- 産後しばらくたっても、出血や強い痛みがある
産後の体は、あせらず段階を踏むことが大切です。「これって大丈夫かな?」と思うことがあれば、ひとりで抱えずに気軽に相談してくださいね。
かんだ整体院の産後骨盤矯正
かんだ整体院では、理学療法士が産後の骨盤まわりや姿勢、お腹の筋肉の状態を確認し、体に負担をかけにくいやさしい施術と、育児中でも続けられるセルフケアをご提案しています。体型が気になる方には、骨盤矯正ダイエットとして、運動や生活習慣のアドバイスも組み合わせてサポートします。
よくある質問
産後どれくらいで体重は戻りますか?
授乳の有無や生活リズムなどによって大きく異なります。体重が戻っても、お腹まわりの筋肉の回復には時間がかかることがあります。焦らず、体調に合わせて少しずつケアしていきましょう。
骨盤ベルトはつけたほうがいいですか?
産後の腰や骨盤まわりの負担をやわらげる目的で使われることがあります。ただし、締めつけすぎや長時間の使用はかえって負担になることもあるため、使い方は医師や助産師、専門家に相談しましょう。
産後何年もたっていても大丈夫ですか?
はい。産後しばらくたってからでも、姿勢やお腹まわりの筋肉の使い方を見直すことはできます。気になったときがはじめどきです。
まとめ
産後に体型が戻りにくいのは、お腹や骨盤まわりの筋肉が変化しているためで、体重だけの問題ではありません。医師に体の状態を確認したうえで、呼吸や姿勢を整えるやさしいケアから少しずつ始めていきましょう。
参考文献
- Sperstad JB, et al. “Diastasis recti abdominis during pregnancy and 12 months after childbirth: prevalence, risk factors and report of lumbopelvic pain.” British Journal of Sports Medicine. 2016;50(17):1092-1096.
https://bjsm.bmj.com/content/50/17/1092 - 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(筋力トレーニングについて)
https://www.mhlw.go.jp/content/001195869.pdf

